私は、かつて不動産屋に勤務していて、事業用物件の取り扱いを担当していました。その当初はバブルの絶頂期であったので、お店や事務所などに使われる事業用物件には、どのような不良物件でも数日の間に引き合いが来て、翌月までには売却又は賃貸されるというような状態でした。ですから、都内の山手線沿線沿いに新しい物件が出たという情報がくると、現物も見ずに、手を回すと言ったことも度々ありました。そんな状況にかげるが見えるようになったのは、平成3、4年ごろだったでしょうか。
毎月末に現在の取扱物件をチェックしていると、2、3ヶ月も動きがない(=引き合いや問い合わせが無い状態)ものがちらほらと見受けられるようになってきたのです。「やはり、古くって場所が悪いものはダメか。」ぐらいに思っていたのですが、更に2、3ヶ月ほど経つと、その数がどんどん増えてきて、物件がほとんど動かなくなってしまいました。それでも、年度末・年度初めには何とかなるだろうと思っていましたが、それは甘い考えだったのです。
バブルが崩壊した後は、事業用物件の取引は、ほとんどが小規模の店舗物件のみとなってしまいました。それでも、平成10年前後には、明るさも見え始め、都心環状線沿線沿いの事業用物件には、結構の引き合いが戻ってきて、商売的にも成り立つようになってきました。しかし、アメリカのサブプライム問題から端を発した不動産不況により、現在では事業用物件の取り扱いはほとんど無いに等しい状況まで低迷してしまいました。またあのバブル時代が再到来してほしいと思っています。